赤字でも確定申告するべき理由

こんにちは。

確定申告時期もちょうど折り返し地点に来ました。

令和7年中に事業を開始した場合など、事業所得が赤字になった場合の確定申告についてまとめてみます。

目次

そもそも確定申告しなくて良い?

個人事業主の方で事業所得(事業でのもうけ)が赤字の場合、ルールから言うと確定申告をする義務はありません。

確定申告時期になると、事業を始めたものの帳簿をまったくつけていない…、という人がいるのも良く聞く話です。

初めての確定申告はハードルが高いもの。

「今年は赤字だから、申告しなくてもいいよね?」と考える気持ちもわからなくはないですが、赤字だからといって何もしなくていいわけではありません。

むしろ、赤字の年こそきちんと申告しておいた方がよいケースが多いのです。

その理由をいくつか挙げてみます。

赤字でも確定申告すべき理由

赤字を3年間繰り越すことができる

開業したばかりの年は売上よりも先に経費が出ていくことが多く、結果として赤字になるケースは珍しくありません。(私も開業年はもれなく赤字でした…。)

赤字ならばその年の税金はかかりません。

更に、青色申告をしている場合に限りますが、その年に出た赤字は翌年以降(最長3年間)繰り越すことができます。

たとえば、今年100万円の赤字が出たとします。

翌年、事業が少しずつ軌道に乗り150万円の黒字が出た場合、

 150万円 − 100万円 = 50万円

と、課税される所得を減らすことができます。(「繰越控除」といいます。)

今年の赤字を今年で切り捨てず、来年以降にとっておくことができるということです。

ただし、この繰越控除は期限内に確定申告をしていなければ使うことができません。

赤字の年の確定申告をすることで、税務署に「今年は赤字だったので、来年以降に繰り越します」という意思表示をしておく必要があるということです。

翌年利益が出て税金を納めることになったときのため、まずいちばんにできる節税とも言えます。

赤字でも堂々と申告しておきましょう。

その年の給与所得等と相殺することができる

例えば、令和7年の途中までサラリーマンで、その後個人事業主になった場合。
または、サラリーマンのまま副業で事業をしている場合。

このように、その年に「給与所得」と「事業所得」の両方があるケースがあります。

通常、給与所得と事業所得がある場合でも、事業所得が年間20万以下であれば確定申告を行う義務はありません。

ただし、確定申告をすることで、給与のプラスと事業のマイナスを相殺し課税される所得を下げることができるのです。(「損益通算」と言います。)

先ほどの繰越控除は「翌年以降に持ち越す」制度でしたが、こちらは「その年のうちに相殺できる」という点が違います。

たとえば、

 給与所得 400万円
 事業所得 ▲100万円

であれば、

 400万円 − 100万円 = 300万円

として所得を計算することができます。

なので、会社で年末調整が済んでいてその年の税金を納めてしまっている場合でも、確定申告を行って事業所得と相殺することで、納めすぎている税金の還付を受けることができます。

ちょっと話がズレますが、年の途中で退職して個人事業主になった場合、年末調整はやってもらえず源泉徴収されている税金の清算が終わっていないのが通常です。(例外もあります。)

その年の途中までの給与であっても、同じ年に給与をもらっていれば事業所得と合わせて漏れなく申告する必要がある、というのも注意すべきポイントです。

事業を行っている証明になる

最初に書いたとおり、事業のみを行っていてそれが赤字の場合、確定申告書を提出する必要はありません。

ただ、たとえば、

・融資を受ける場合
・給付金や補助金を申請する場合
・事業の実績を求められる場合

こうしたときには、「事業を行っていることを証明する書類」が必要になります。(融資を受けたいのに確定申告をしていない、はそもそも論外かもしれませんが…)

赤字であっても、

・売上があること
・経費をかけて事業をしていること
・毎年きちんと帳簿をつけて申告をしていること

を示すことができれば、それは立派な「事業の実績」になります

私の住む大村市では今、「大村市中小企業者等事業継続支援給付金」の申請受付中(令和8年5月29日まで)で、こちらでも「事業を行っていることがわかる書類」の提出が求められています。

赤字か黒字かが重要なのではなく、「事業をしていること」を証明する書類が必要で、

もし赤字だからと申告をしていなければ、提出できる書類がなくせっかく受けられる給付金を逃してしまうことにもなりかねません。

(余談ですがこの給付金、要件も厳しくなくスマホ等でも短時間で申請できるので、確定申告が終わったらサクッと申請しましょう、とお客さまにもオススメしています。)

おわりに

赤字でも確定申告すべき理由についてまとめてみました。

今年の確定申告期限(今年は3月16日)まであと2週間ちょっと。

赤字だから確定申告するつもりなかった…という方がもしいらっしゃれば、少しでも参考にして頂けたらと思います。

写真は、お母さんがこの先もずっと赤字にならないよう祈願してくれている愛犬。(ハイ、相変わらず写真のネタがなくてお正月の写真です…)


*編集後記*

当事務所は確定申告の件数は多くないのですが、それでももう3月と思うと焦りますね…

できれば2月中には目処をつけておきたかったのですが、息子×2が時間差でインフルBに罹患。

ろくに隔離もできずに接していたので自分ももらうんじゃ…とハラハラしましたが、なぜか無事で救われました。

こういったイレギュラーも想定に入れると、やっぱり今より大幅に件数を増やすのは厳しいな…とひとり事務所の限界を再認識します。

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