日記風のブログしか書けないまま、ぱったり更新が止まっていました。
気づけばもう10月(も下旬に差し掛かっていますね…)。この間始まった2025年のはずなのに、もう年末が迫ってきているなんて。
個人で事業をされている方(特に今年開業された方)にとっては、確定申告の時期が近づいてきて気持ちがザワザワし始める頃かなと。
やらないといけないのはわかってるけどまだ何にもやっていない…そんな方に向けて、確定申告までに何をしたら良いか、なるべく簡単に整理していこうと思います。(ホントは全体像を書くつもりが、売上だけで長くなったので「売上の記帳のきほん」としておきます。)
納める税額は所得(もうけ)で決まる
個人事業主の方が納める所得税は、1年間の「所得(もうけ)」に対して税率をかけて税額が決まります。(実際は所得から所得控除というもろもろの控除額を差し引いた金額に税率をかけて計算しますが、今回は割愛。)
この「所得」を計算するために、1年分の売上や経費をまとめる作業が決算です。
そして、その結果をまとめた書類が決算書と呼ばれます。
「所得(もうけ)」=「年間の売上の合計額」ー「その売上を上げるために発生した必要経費の合計額」
1年間で「売上がいくら上がったか」と「そのためにどれくらい経費がかかったか」を集計することが、確定申告の第一歩になります。
決算書は、青色申告の方は「青色申告決算書」、白色申告の方は「収支内訳書」という名前の書類で、確定申告の際に確定申告書とあわせて提出する必要があります。
まず、売上を正確に集計する
所得を計算する上でもっとも大事なのが、「売上」を「正確に」集計することです。そのために気をつけたいポイントをまとめてみました。
「発生主義」でもれなく記帳する
まず、売上について注意したいポイントは、売上はお金が入ってきたタイミングで上げるのではない、ということ。
売上は、「発生主義」で集計する必要があります。(小規模事業者に限り、税務署に届け出れば現金主義を採用することもできますが、デメリットもあるのでオススメしません。)
| 売上を上げるタイミング | イメージ | |
|---|---|---|
| 現金主義 | お金が入ってきたとき | 家計簿 お金の出入りがあったときに記録する |
| 発生主義 | モノを引き渡したとき サービスを提供したとき | お金の動きに関係なく、 取引が発生したときに記録する |
例えば、12月にサービスを提供して12月末締めで請求書を発行し、翌年1月に売上金が入金された場合、1月ではなく12月の売上にする必要があります。
仕訳でいうと、ひとつの取引で、「売上の発生」と「売掛金の入金」というふたつの仕訳を登録する必要があります。
売上発生時: 売掛金 / 売上 11,000円
入金時: 預金 / 売掛金 11,000円
freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトを使用すると、金融機関連携により銀行取引の明細を取り込むことができます。
このおかげで、簿記の知識がなくてもカンタンに経理をすることができると謳われていますが、その便利さゆえに、「入金のあったとき=売上を上げる」になってしまうケースがよくあるように見受けられます。
実際は「3月に売上が発生して、入金が4月だった」ものを、入金の取引データが4月に取り込まれるため、4月の売上として登録してしまうというパターンです。(このパターンは、同じ年のうちで月ズレするだけなので1年の所得の計算には影響しませんが、上記のように12月の売上を1月に上げる処理をしていると、その年の売上にモレがあることになってしまいます。)
決算の際には、入金の有無にかかわらず、12月に発生した売上までもれなく集計するように気をつけましょう。
逆に、入金が先の場合も同様の考え方で、12月に手付金を受け取っていたとしても、モノの引き渡しやサービスを提供するのが翌年1月であれば、12月ではなく1月の売上にするのが正解です。
現金主義は、カンタンなようで、その年の売上や利益を正確に計算することができないというデメリットがあります。発生主義での記帳に慣れ、1年の取引を正確に反映した”本来の利益”を正しく把握できるようにしましょう。(現金主義だと青色申告特別控除が10万円しか使えない、というデメリットもあり、コレはかなりもったいないです。)
売上の記帳を効率化できるレジや請求書ソフトを導入する
売上の集計方法として、小売業や飲食業の場合はレジのジャーナルや日計表から集計する、月締めで請求書を発行している場合は請求ソフトや請求書の控えから集計することになりますが、そこから更に会計ソフトに手入力するのはかなり手間がかかります。
Excelを使って集計するのが負担にならない方ならExcelで集計して会計ソフトに取り込む方法もオススメですが、もしExcelとか苦手…という場合は、以下のようなシステムを導入することをオススメします。
- 小売業、飲食業等の場合
クラウド型のPOSレジ(Airレジ、スマレジなど)を導入すると、売上をクラウド会計ソフトにそのまま連携させることができます。
1日の売上が自動的に仕訳登録されるので、日計表などを記入して会計ソフトに手入力する手間を省くことができ、店舗で事業をする場合にはクラウド型のレジは必須かなと個人的に思います。
各種キャッシュレス決済の売上も決済手段ごとに仕訳登録してくれるので、入金の際に確認しやすいのもメリットかなと。
*ただし、基本的にクラウド会計ソフトとの連携設定を行った日以降の売上データしか連携されない場合が多いので、なるべく早く連携設定をするのがオススメ。(それ以前の売上については、Excelインポートや手入力で売上入力する必要があります。) - 月締めで請求書を発行する場合
こちらも、クラウド会計ソフトと連携できる請求書ソフト(マネーフォワードやfreee会計の請求書機能や、弥生のmisocaなど)を導入すると、売上を会計ソフトに連携することができます。
請求書を作成し、完了のアクションを起こすと(操作はソフトによって異なります)、会計ソフトに「売掛金/売上」の仕訳が自動登録されます。入金があったときの売掛金の消込も管理できて便利。
飲食店などの日計表から1ヶ月分の売上を手入力していた古い時代の私からすると、何もしないでもその日の売上の仕訳が登録されているって結構感動モノでした。クラウド型のレジには無料で利用できるものもあるので、ぜひお試し頂ければと思います。
「売上を抜く」はいろんな意味で絶対NG
税金の計算の仕組み上、当然ながら(同じ経費であれば)売上が多いほど税金が高くなります。
誰しも税金を納めるのはイタイですが、売上を抜く行為だけは絶対NG。
例えば現金売上で相手先が消費者のパターン(払った側が経費にしない)など、一見バレないと思われがちかもしれませんが、税務署はいろんな手段で調査することができます。
ただ、税務署にバレるからやってはいけないのではなく、自分のためという理由がいちばんかなぁと。
まず、自分が過去のホントの業績を確認できなくなるということ。事業を続けていく中で、過去からどのぐらい成長したかを確認したくても、過去の帳簿がホントの業績を表していないと比較することもできません。
あとは、融資が必要になったときや補助金を申請するとき。この場合必ず過去の申告書の提出を求められますが、売上を過少に申告していると不利になることがあります。ほんとはもっと儲かっていたのに、と思っても、「コレは税務署向けでホントは…」などと言って申告書を差し替えることはできません。
それから意外と大きな理由として、精神的な面からもオススメしません。不正に売上を抜いていると、だんだん麻痺してきてそれが当たり前になってくるかもしれないし、税務調査が入ってバレたらどうしよう…と思いながら生活するのって結構キツイんじゃ、と思います。
最後になんだか不穏なテーマになってしまいましたが、売上を抜くのは絶対NGと思う理由をお伝えしてみました。
おわりに
確定申告を前に、売上を集計するポイントについてまとめてみました。
まだまだ先と思っていても、ここから年末までって光の速度で駆け抜けていくような気がします。(年を取るごとに加速度がヤバいです。)
ぜひ、今年も残り3ヶ月を切ったこのあたりで、ここまでの売上の集計から始めて頂けたらと思います。
*編集後記*
ブログを書くモチベーションになれば、とカメラを購入してみました。
カメラ初心者でまだ全然使いこなせていませんが、何事もカタチから入るタイプなので、素敵なカメラおばさんを目指してストラップをポチ。
直感で好きなカラーを選んだつもりが、気づいたらVファーレンカラーでした。(息子に、「お。Vファーレンカラーやん。」と言われてはっ!となりました。)全然そういうつもりなかったので、なんか恥ずかしいです…。が、スタジアムに行くときはぶら下げていこうと思います。
